○睦沢町犯罪被害者等支援条例

令和7年3月10日

条例第3号

(目的)

第1条 この条例は、町における犯罪被害者等の支援に関し、基本的理念を定め、町及び町民等の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等を支援するための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等への支援を総合的に推進し、犯罪被害者等が受けた被害の早期回復及び軽減を図り、もって町民等が安全で安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 町民 睦沢町住民基本台帳に記録されている者又は1年以上町内に生活の本拠があると町長が認めた者をいう。

(2) 町民等 町民並びに町内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体をいう。

(3) 犯罪行為等 犯罪行為及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(4) 犯罪被害者等 犯罪行為等により害を被った者及びその家族又は遺族であって町民であるものをいう。

(5) 二次的被害 犯罪行為等による直接的な被害を受けた後に、偏見に基づく又は理解若しくは配慮に欠ける言動、インターネットを通じて行われる誹謗(ひぼう)中傷等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害、経済的な損失その他の被害をいう。

(6) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪行為等の加害者から再び受ける生命、身体、財産等の被害をいう。

(7) 関係機関等 国、千葉県、警察、犯罪被害者等の支援を行う公共的団体、民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保証される権利が尊重されるよう、配慮して行わるものとする。

2 犯罪被害者等への支援は、犯罪被害者等が平穏な生活を取り戻すまでの間、犯罪被害者等が受けた被害の状況、生活への影響その他の事情に応じ、適切に途切れることなく行われるものとする。

3 犯罪被害者等への支援は、二次的被害及び再被害の発生の防止に配慮して行うとともに、その過程において、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条の基本理念にのっとり、犯罪被害者等を支援するための施策を推進し、実施する責務を有する。

2 町は、犯罪被害者等を支援するための施策が円滑に実施されるよう、関係機関等と連携し、協力しなければならない。

(町民等の責務)

第5条 町民等は、犯罪被害者等の置かれている状況及び支援の必要性について理解を深め、町及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に協力するよう努めなければならない。

(相談及び情報の提供等)

第6条 町は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう、直面している様々な問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連絡調整を行うものとする。

(見舞金の支給)

第7条 町は、犯罪行為等により死亡し、若しくは傷害(医師の診断により全治1箇月以上の加療を要するものに限る。以下同じ。)を受けた者(以下「被害者」という。)又はその遺族(これらの者のうち、当該犯罪行為等が行われた時に町民であった者に限る。以下同じ。)のうち、警察署長に被害届を提出していること等により犯罪行為等による害を被ったことが確認できるものに対し、見舞金を支給するものとする。

(見舞金の種類及び対象者)

第8条 見舞金の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、当該各号に定める者に対して、一時金として支給するものとする。

(1) 傷害見舞金 犯罪行為等により傷害を受けた者

(2) 遺族見舞金 犯罪行為等により死亡した者の第1順位遺族(次条第3項の規定による第1順位の遺族をいう。第10条において同じ。)

(遺族の範囲及び順位)

第9条 遺族見舞金の支給を受けることができる遺族は、被害者の死亡の時において、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) 被害者の収入によって生計を維持していた被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(3) 前号に該当しない被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

2 被害者の死亡の当時胎児であった子が出生した場合においては、前項の規定の適用については、その子は、その母が被害者の死亡の当時被害者の収入によって生計を維持していたときにあっては同項第2号の子と、その他のときにあっては同項第3号の子とみなす。

3 遺族見舞金の支給を受けるべき遺族の順位は、第1項各号の順序とし、同項第2号及び第3号に掲げる者のうちにあっては、当該各号に掲げる順とする。この場合において、父母については、養父母を先にし、実父母を後にし、祖父母については、養父母の父母を先にし、実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし、父母の実父母を後にする。

(見舞金の支給制限)

第10条 町長は、次に掲げるときは、規則で定めるところにより、見舞金の支給をしないものとする。

(1) 犯罪行為等が行われた時において、被害者又は第1順位遺族(第1順位遺族が2人以上あるときは、そのいずれかの者。以下同じ。)と加害者との間に親族関係があるとき。

(2) 犯罪行為等による被害について、被害者又は第1順位遺族にもその責めに帰すべき行為があったとき。

(3) 前2号に掲げるもののほか、見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(4) 当該犯罪行為等につき、被害者又は第1順位遺族が他の市町村から見舞金又は見舞金と同種のものの支給を受けていたとき。

(見舞金の額)

第11条 傷害見舞金の額は、次の各号に掲げる傷害の程度の区分に応じ、当該各号に定める額とする。

(1) 全治1箇月以上3箇月未満 5万円

(2) 全治3箇月以上 10万円

2 遺族見舞金の額は、30万円とする。

3 遺族見舞金の支給を受けることができる同順位の遺族が2人以上ある場合における各人の遺族見舞金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額をその人数で除して得た額とする。この場合において、1円未満の端数は切捨てとする。

(見舞金の支給に関する特例)

第12条 既に傷害見舞金の支給を受けた被害者が当該傷害見舞金の支給の原因となった犯罪行為等により死亡した場合における遺族見舞金については、当該傷害見舞金との差額を支給するものとする。ただし、死亡の原因となった犯罪行為等が行われた日から1年以上経過して死亡した場合には、遺族見舞金は支給しない。

(見舞金の支給の申請)

第13条 見舞金の申請をしようとする者は、規則で定めるところにより、町長に申請しなければならない。ただし、申請をしようとする者が未成年者である場合又はやむを得ない事情により申請ができない場合には、申請をしようとする者の代理人が申請することができる。

2 当該犯罪行為等による被害の発生を知った日から2年を経過したとき又は当該犯罪行為等による被害が発生した日から7年を経過したときは、前項の規定による申請は、することができない。

(見舞金の支給の決定)

第14条 町長は、前条第1項の規定による申請があったときは、申請内容を確認の上、速やかに支給の可否を決定するものとする。

(見舞金の返還)

第15条 町長は、偽りその他不正の手段により見舞金の支給を受けた者があるとき、又は見舞金の支給を行った後において第10条各号のいずれかに該当することが判明したときは、支給した見舞金を返還させるものとする。

(転居費用の助成)

第16条 町は、第7条の規定による見舞金の支給を受けることができる者のうち、当該犯罪行為等の被害を受けたことにより従前の住居に居住することが困難となったと町長が認めたものに対し、当該犯罪行為等による被害が発生した日以降に転居(最初の転居に限る。)をした場合の当該転居に要した費用について、助成するものとする。

(転居費用の助成の額)

第17条 前条に規定する転居費用の助成の額は、引っ越しに係る運送費用(引越事業者に支払ったものに限る。)、荷造り等のサービスに係る費用(引越事業者に支払ったものに限る。)その他町長が転居のために必要と認める費用の合計額とし、5万円を限度とする。

(準用)

第18条 第10条及び第13条から第15条までの規定は、転居費用の助成について準用する。この場合において、第13条第2項中「の発生を知った日から2年を経過したとき又は当該犯罪行為等による被害が発生した日から7年」とあるのは、「が発生した日から1年」と読み替えるものとする。

(支援の制限)

第19条 町は、犯罪被害者等が当該犯罪行為等を誘発したとき又は犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、当該犯罪被害者等の支援を行わないものとする。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。

(適用区分)

2 第7条から第18条までの規定は、この条例の施行の日以後に行われた犯罪行為等による被害について適用する。

睦沢町犯罪被害者等支援条例

令和7年3月10日 条例第3号

(令和7年4月1日施行)