○文書の左横書実施要領
昭和35年4月1日
訓令第1号
まえがき
文書事務を改善して、行政事務の合理化と、執務能率の増進を図るために、従来、各種の研究と改善が行われ、その中で、文書は左横書きにすることがすべての点で有利であるという結論が出されたのであります。
当町においても、この趣旨にそって、昭和35年5月1日から公文書の左横書きを実施することにいたしました。左横書きは、その歴史が浅く、ことに、公用文にあっては縦書きの長い伝統や習慣から、なかなか抜けきらないために、当分の間文書の作成その他に、過渡的な能率低下をみることも考えられます。
この冊子は、当町における文書の左横書き実施についての基本的な事項を示すとともに、切り替えにあたってのよりどころとし、あわせて一時的な能率低下に備えることとしました。
じゅうぶん活用されて、一日も早く左横書きに習熟されることを切望いたします。
文書の左横書き実施要領
第1 趣旨
この実施要領は、公用文改善の一つとして、睦沢町における公用文書の左横書き実施の基準を定め、町行政事務の合理化と執務能率の向上を図ることを目的とする。
第2 実施の時期
昭和35年4月1日から4月30日までを準備期間とし、同年5月1日から実施する。
第3 実施する文書の範囲
次の各号いずれかに該当するものを除いてすべて左横書きとする。
1 法規で様式を縦書きと定めたもの
2 他の官公庁で様式を縦書きと定めたもの
3 賞状・祝辞・弔辞その他これに類するもの
4 その他総務課長が縦書きを適当と認めるもの
第4 文書の書き方
別紙「左横書き公文書の書き方」による。
第5 文書のとじ方
左横書き文書は、左とじを原則とする。左横書き文書と左に余白がある1枚の縦書き文書をとじる場合は、そのまま縦書き文書の左をとじる。
左横書き文書と左に余白のない縦書き文書又は2枚以上の縦書き文書をとじる場合は縦書文書を裏つづり(背中合わせ)とする。
横長の横書き文書をとじる場合は、上とじとする。(A4判の用紙を横長に、A3判の用紙を縦長に使用したものも同様とする)
以上の文書を全体としてとじる場合は、左とじを原則とするが当分の間従前の例によることができる。
第6 公印
公印は現在のものをそのまま使用し、改刻するときに左横書きに改める。
第7 その他
1 用紙
(1) 用紙は、日本標準規格によるA4判及びA3判を用いる。ただし別に規格の定めがある場合及び特に他の規格の用紙を必要とする場合は、この限りでない。
(2) 原則として、A4判用紙は縦長に、A3判用紙は横長にして用いる。この場合、A3判用紙は二つに折り、又は三つ折りこみとする。
(3) 起案用紙はA4判を、けい線はA4判及びA3判を用い、けい紙その様式は別表第3、第4までのとおりとする。
(4) 現在使用中の縦書きに印刷された起案用紙及びけい紙は当分の間横にして使用してさしつかえないものとする。この場合は上とじとする。
2 帳票類
左横書きに適するように改める。ただし手持品でそのまま左横書きにさしつかえないものは使用してよい。
3 準備期間中に行うべき事項
(1) 現行規定で、様式が縦書きに定められているものは、事情が許すかぎり、すみやかに横書きに改正する。
(2) 様式・帳票等で縦書きになっているものは、できるだけ早い機会に左横書きに改める。
(3) 指令書・例文等で縦書きにより印刷したものは、準備期間中はそのまま使用してさしつかえないが、同期間完了後はすべて横書きとする。
附則(平成14年3月25日訓令第9号)
この訓令は、平成14年4月1日から施行する。
別表第1、第2 削除
左横書き公文書の書き方
第1 一般的な心得
縦書きと横書きとは、縦と横の相違だけで本質的に変りはないが、数字や符号の用い方に多少の相違がある。
1 本文は1字あけて書き出し、本文中行を改めるときは、1字あけて書き出す。
2 ただし書き及び「この場合」「そのものが」などで始まるものは行を改めない。
3 なお書き及びおって書きは、行を改める。
4 なお書きとおって書きの両方を使う場合は、なお書きを先にする。
5 「下記のとおり」「次の事由により」などの下に書く「記」「理由」などは、中央に書く。
6 漢字にふりがなをつけるときは、その文字の上に書く。
第2 用字について
1 漢字及びかな文字
公用文作成の手引(以下「手びき」という。)による。
2 数字
(1) アラビヤ数字
数字は(2)に掲げる場合を除いてアラビヤ数字を用い、その書き方は次のようにする。
ア 数字の区切り方
数字のけたの区切り方は、3位区切りとし、区切りには「,」(こんま)を用いる。ただし、年号、文書番号、電話番号など特別なものは区切りをつけない。
イ 小数、分数及び帯分数の書き方
次の例による。
| よい | わるい | |
小数 | 0.123 |
| 0,123 |
分数 | 2分の1 | ||
帯分数 |
|
ウ 日付、時刻及び時間の書き方
次の例による。
| 日付 | 時刻 | 時間 |
普通の場合 | 昭和35年1月1日 | 9時25分 | 9時間25分 |
省略する場合 | 昭和35.1.1 | 9:25 |
|
時刻は、24時間制を用いるが、午前、午後を使用してもさしつかえない。
(2) 漢数字
漢数字は、次のような場合にのみ用いる。
ア 固有名詞
例:四国 九州 二重橋
イ 概数を示す語
例:二、三日 四、五人 数十日
ウ 数量的な感じのうすい語
例:一般 一部分 四分五裂
エ 慣用的な語(「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」などと読む場合)
例:一休 二日間続き 三日目
オ 単位として用いる語
例:100万 1,000億
3 符号
符号は次のように用いる。
(1) くぎり符号
「手びき」による。
ア 「。」(まる)
文章の完結のしるしとして、一つの文を完全に言い切ったところに必ず用いる。
「かっこ」の中でも、文の言い切りには必ず用いる。また「 すること。」「 するとき。」を列記するときにも用いるが、名詞形で言い切るときは原則として用いない。ただし、あとにただし書きが続く場合には用いる。
例:「 の証明書。ただし 」
イ 「、」(てん)
一つの文の中で、ことばの切れ、続きを明らかにする必要のあるところに用いる。
ウ 「.」(ピリオド)
単位を示す場合、省略符号とする場合などに用いる。
例:0.05 昭和35.1.1
エ 「・」(なかてん)
事物の名称を列挙するとき、又は、外来語の区切りに用いる。
例:条例・規則 トーマス・マン
オ 「~」(なみがた)
から までを示す場合に用いる。
例:東京~大阪 第1号~第10号
カ 「―」(ダッシュ)
語句の説明、言いかえなどに用い、丁目・番地を省略して書く場合に用いる。
例:信号燈:青―進め 本町1―1(本町1丁目1番地)
キ 「:」(コロン)
次に続く説明文、又はその他の語句があることを示す場合などに用いる。
例:注: 電話:(2)―6111
ク 「〃」(ノの点)
表などで同一であることを表わす。
ケ 「→」(矢じるし)
左のものが右のように変わることを示す場合に用いる。
例:車輌→車両
コ 「()」(かっこ)
語句若しくは文章のあとに注記を加えるとき、又は見出しその他簡単な独立した語句を掲記するときに用いる。
例:町長の決裁(閲覧を含む。以下同じ。)を受け
サ 「 」(かぎ)
ことばを定義する場合、若しくは他の用語又は文章を引用する場合に用いる。
シ 「『』」(ふたえかぎ)「〔 〕」(そでかっこ)などは、縦書きの場合と同様である。
(2) くりかえし符号
同じ漢字が続くときには、「々」を用いる。ただし、「民主主義」「事務所所在地」等異なった意味に使用するときには用いない。
「ゝ」「ゞ」同じかなが続くときに用いる符号であるが、横書きでは用いない。
(3) 見出し符号
ア 項目を細別するときは、次のように用いる。
項目が少ないときは、第1を省略して、1から用いる。
イ 見出し符号・番号・記号は「、」を打たないで1字分を空白として、次の字を書き出す。
例:1 この調査は
(1) 日時
第3 書式について
千葉県処務規程の一部を改正する訓令(昭和35年睦沢町訓令第1号)によるが、字くばり等については、おおむね次の書き方を参考にすればよい。
1 令達文
達・指令・証明文等一般文書と異なるものはこの書式による。
(1) 文書番号は、用紙の右上に、中央やや右から書き出し、終りは1字分をあける。
(2) あて名は、文書番号の下に、2行をおいて用紙中央から書き出し、終りは1字分をあける。住所を記入するときは、あて名の上の行に用紙中央やや左から書き出し、終りは2字分あける。
(3) 本文は、氏名の下1行をおいて、初めの1字分をあけて書き出す。
(4) 年月日は、本文の下に、用紙の左に1字分あけて書き出しだいたい中央で終るようにする。
(5) 令達者の職氏名は、年月日の下に1行をおいて、用紙の中央やや左から書き出し、公印は末尾の字にかけて押し、押したあと1字分をあける。
2 往復文
照会・回答・通達・通知・報告・進達・副申・申請・願・届などは、この書式による。
(1) 文書番号と年月日は、用紙の中央やや右から頭をそろえて書き出し、終りは1字分をあける。
(2) あて名は、日付の下に、1行おいて左から1字分あけて書き出す。
(3) 発信者は、あて名の下に1行をおいて用紙中央やや左から書き出し、公印は末尾の字にかけて押し、押したあと1字分をあける。
(4) 標題は、発信者の下に、2行をおいて、左から3字分をあけて書き出し、終りは2字分をあける。2行にまたがるときは、2行目の書き出しは、1行目にそろえる。
(5) 1行の字数各行の間隔は、全体のつりあいを考えてきめる。